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めざせ!特許で一攫千金
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めざ特

Author:めざ特
某大学を卒業後、超有名メーカーに就職。
数年後、某特許事務所に転職。
10年以上、特許明細書、意見書などの作成業務に従事した後、退所。
現在に至る。

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とりあえず出願
 前回、特許事務所が先願調査に対して甘く、出願させたがると書いたが、少し弁護しておく。特許性が疑わしいものでも出願しておくと良い場合がある。というより、出願しないと悲劇的なことが起きる恐れがある。例えば次のような。
             *           *            *
 Aさんが特許事務所に自分の発明を持ち込んだ。だが、先願調査を行なったところ、よく似た先願が見つかったので出願を見送った。当時、その先願は審査請求の期限を過ぎていたが、その出願人(B社)は審査請求をしていなかった。つまりこの先願が権利化される可能性は無い(分割出願もない)。だから、Aさんは発明を独占できないが、その代わり、他社から生産差し止め等を請求されることは無さそうだ。 そこでAさんは安心して自分の発明を商品化し、約1年後に売り出した。商品は順調に売り上げを伸ばしていった。

 さらに1年弱たった頃、C社からAさんに警告書が届いた。曰く、Aさんの商品は当社の特許出願と同じものであるから、登録の暁にはこの警告書の送達日に遡って補償金を支払えとのこと。警告書にはC社の発明の公開公報が添えられていた。
 Aさんは、その公開公報を読んだ。確かに自分の発明と殆ど同じだったが、それはB社の先願とも大して変わらないことを意味する。C社の発明はAさんが先願調査をしてから約半年後に出願されたものだった。つまりB社の発明が公開された後に出願されたものだ。「この発明を審査請求しても、B社の公開公報を引用文献とする『進歩性なし』で拒絶されるだろう。だから登録される心配は無い。」 Aさんはそう思って、生産、販売を続けた。

 ところが数年後、C社の出願は登録されてしまった。AさんはC社に補償金を払う羽目になった。なぜこんなことが起きたのか。
出願あり

  C社は、B社の公開公報を引用文献とする進歩性なしを通知されていた。ここまではAさんの予想どおり。だが、C社は、B社の出願とのわずかな差を根拠に進歩性を主張し、これを特許庁に認めさせたのだ。そのはAさんの発明にもあったのだが、Aさんは「大した差ではない」と思ってしまった。
             *           *            *
 もし、Aさんが出願していたらどうなったか。Aさんの発明には、C社の発明の進歩性の根拠となった部分も含まれている(だからこそC社の特許を侵害した)から、C社の発明は、前述の進歩性なしに加え、先願あり(特許法29条の2)でも拒絶されるだろう。
出願なし

 C社がこれに反論するには、Aさんの出願書類には無いものを特許請求の範囲に組み込む必要がある。この結果、Aさんの発明は侵害に当らなくなる可能性が高い。また、組み込むと構成要件が増えるので、抜け道も増える。

 なお、Aさんは「B社の発明との」を大したものではないと考えていたので、出願していたとしても登録されない可能性が高い(特許明細書の書き方は重要なのだ!)。 だがAさんの出願が登録されるか否かは、C社の発明が登録されるか否かとは関係が無い。先願(Aさんの出願)が存在することが重要なのだ。

 この話はフィクションだが、ありえない話ではない。だから「とりあえず出願すること」には意味があるのだ。

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