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Author:めざ特
某大学を卒業後、超有名メーカーに就職。
数年後、某特許事務所に転職。
10年以上、特許明細書、意見書などの作成業務に従事した後、退所。
現在に至る。

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カラオケ
 カラオケに関しては、発明者の井上大佑氏が特許を取っていなかったばかりに巨額の実施料を受け取り損ねたとよく言われる。だが、私はこれに懐疑的だ。なぜなら、カラオケで特許を取得できたかどうか疑わしいのだ。

 Wikipediaによれば、井上氏がカラオケ装置を発明したのは1971年。だが、それ以前からカラオケというものは放送業界などにおいて存在していた可能性が高い。やや前後するが、70年代に日本テレビ系で放送されていた「スターアクション」という番組がある。番組の内容は、芸能人が参加するジェスチャーゲームだ。その番組で出題された問題の中に、「『カラオケを持って来い』と言われて、たらいを持ってきた新人歌手」と言うものがあった。「カラオケ」が、日本のみならず世界の常識となりつつある現在なら成立しない設問だ。出演者がどんなジェスチャーをしたかは覚えていないが、カラオケをあっさりジェスチャー化し、回答者もすんなり当てていた。つまり、「カラオケ」が一般的ではない時代においても、芸能界では常識だったのだ。

 だから、単にボーカルがない「カラオケ」というものは、井上氏が発明した時点で既に存在していた可能性が高い。だとすれば、カラオケ自体に新規性は無い。だからカラオケで特許を取得するのは難しいだろう。

 ではビジネスモデルはどうか。歌声喫茶と言うものが昭和30年代に流行った。アコーディオンなどの演奏に合わせて客が歌を歌うものだ。これのアコーディオンを、8トラテープに録音されたカラオケに置き換えれば、近いものになる。井上氏のカラオケは1曲ごとにお金を取っており、歌声喫茶とは異なるが、この点はジュークボックスから連想できると言われるかもしれない。そうすると、進歩性を確保するのは難しそうだ。

 Wikipediaによれば、井上氏は「歌う人に合わせた音階やテンポという概念をシステムとして実現」したという。ここまで発明を限定すれば、特許性が出てくるかもしれない。だが、限定すればその分、抜け道は多くなる。抜け道をつかれれば実施料を受け取ることはできない。だから私は、どの道、井上氏は巨額の特許権収入を受け取れなかったと思うのだ。
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